糖尿病と認知症の関係とは?血糖値の管理で脳の健康を守りましょう|立川・武蔵村山の頭痛診療・内科|ほしの脳神経・整形外科・在宅クリニック立川

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糖尿病と認知症の関係とは?血糖値の管理で脳の健康を守りましょう

糖尿病と認知症の関係とは?血糖値の管理で脳の健康を守りましょう|立川・武蔵村山の頭痛診療・内科|ほしの脳神経・整形外科・在宅クリニック立川

2026年10月22日

はじめに

糖尿病というと、血糖値が高くなる病気、あるいは網膜症や腎臓病、神経障害などの合併症を引き起こす病気というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。しかし、糖尿病は脳の健康にも深く関係しており、認知症の発症リスクを高めることが知られています。

認知症は、年齢を重ねるにつれて誰にでも起こる可能性がありますが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を適切に管理することで、発症リスクを減らせる可能性があります。

今回は、糖尿病と認知症の関係、認知症が起こる仕組み、そして脳の健康を守るために日常生活で気をつけたいことについて解説します。

1.糖尿病になると認知症になりやすい?

糖尿病のある方は、糖尿病のない方と比べて認知症の発症リスクが高いことが、多くの研究で報告されています。

特に、糖尿病と関連が深い認知症には、次の2つがあります。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも代表的なタイプです。脳内にアミロイドβなどの異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞の働きが徐々に障害されることで、記憶力や判断力などが低下していきます。

糖尿病では、インスリンの働きが低下する「インスリン抵抗性」や慢性的な高血糖、炎症などが、脳の機能に影響を与える可能性があります。こうした変化がアルツハイマー型認知症の発症や進行に関係していると考えられています。

ただし、糖尿病があるからといって、必ずアルツハイマー型認知症になるわけではありません。

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など、脳の血管に障害が起こることで発症する認知症です。

糖尿病が長期間続くと、血管が傷つきやすくなり、動脈硬化が進行します。その結果、脳梗塞などの脳血管障害を起こすリスクが高くなります。

脳の細い血管に障害が起こることもあり、本人が気づかないような小さな脳梗塞が積み重なって、認知機能の低下につながる場合もあります。

また、アルツハイマー型認知症と血管性認知症の特徴が同時にみられる「混合型認知症」も少なくありません。

このように、糖尿病は複数の経路を通じて認知症のリスクを高める可能性があります。

2.なぜ糖尿病が脳に影響するのでしょうか?

糖尿病が認知機能に影響する主な仕組みとして、次のようなものが考えられています。

① 高血糖による血管へのダメージ

血糖値が高い状態が長く続くと、血管の内側が傷つき、動脈硬化が進みやすくなります。

脳の血管は、脳に酸素や栄養を届ける重要な役割を担っています。血管の働きが低下すると、脳の神経細胞に十分な酸素や栄養が届かなくなり、認知機能に影響することがあります。

② インスリンの働きの低下

インスリンは血糖値を調節するホルモンですが、脳の神経細胞の働きにも関係しています。

糖尿病では、インスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが効きにくくなったりします。こうした状態が脳内の代謝や神経細胞の機能に影響する可能性が指摘されています。

ただし、糖尿病とアルツハイマー型認知症の関係は複雑であり、インスリンの働きだけですべてを説明できるわけではありません。

③ 慢性的な炎症や酸化ストレス

高血糖は、体内で慢性的な炎症や酸化ストレスを引き起こす要因となります。これらは血管や細胞にダメージを与え、脳の老化や神経細胞の機能低下に関係すると考えられています。

④ 低血糖による影響

糖尿病では、高血糖だけでなく、血糖値が下がりすぎる「低血糖」にも注意が必要です。

特に高齢者では、低血糖によって意識がもうろうとしたり、ふらつきや転倒を起こしたりすることがあります。

重い低血糖を繰り返すことと認知機能の低下には関連が報告されています。一方で、認知機能が低下すると食事や服薬の管理が難しくなり、低血糖を起こしやすくなることもあります。

つまり、糖尿病と認知症は、一方が他方のリスクを高めるという双方向の関係にあるのです。

3.糖尿病のある方が気をつけたい認知症のサイン

認知症の初期には、年齢による自然な物忘れと区別しにくい症状が現れることがあります。

例えば、次のような変化に注意しましょう。

特に、これまで問題なく行えていた服薬や血糖管理が急に難しくなった場合は、認知機能の変化が関係している可能性があります。

ただし、こうした症状は認知症以外にも、睡眠不足、うつ状態、薬の副作用、甲状腺機能の異常、低血糖などで起こることがあります。

気になる変化が続く場合は、年齢のせいと決めつけず、かかりつけ医に相談することが大切です。

4.認知症を予防するためにできること

糖尿病がある方でも、生活習慣を見直し、血管と脳の健康を守ることは可能です。

① 血糖値を適切に管理する

糖尿病の治療では、血糖値を適切な範囲に保つことが重要です。

ただし、血糖値を厳しく下げれば下げるほど認知症を予防できるというわけではありません。特に高齢者では、低血糖を防ぐことも非常に大切です。

年齢、認知機能、日常生活の自立度、使用している薬などを考慮し、一人ひとりに合った血糖管理を行いましょう。

② 食事のバランスを整える

野菜、魚、大豆製品、全粒穀物などを取り入れ、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

甘い飲み物や菓子類のとりすぎを避け、食事の時間や量をできるだけ一定にすることも大切です。

極端な糖質制限や食事制限は、栄養不足や低血糖につながる場合があるため、自己判断で行わず、医師や管理栄養士に相談しましょう。

③ 適度な運動を続ける

ウォーキングなどの有酸素運動は、血糖値の改善、血圧の管理、体力の維持に役立ちます。

また、運動は認知機能や脳の健康にもよい影響を与える可能性があります。

まずは無理のない範囲で、散歩や体操などから始めてみましょう。膝や腰に痛みがある方は、椅子に座って行う運動など、自分の体に合った方法を選ぶことが大切です。

運動療法を始める際には、低血糖や合併症の有無にも注意しましょう。

④ 血圧やコレステロールも管理する

高血圧や脂質異常症は、動脈硬化や脳卒中のリスクを高めます。

糖尿病のある方は、血糖値だけでなく、血圧やLDLコレステロールなども適切に管理することが重要です。

禁煙や節酒も含め、血管を守る生活習慣を心がけましょう。

⑤ 睡眠と社会的な交流を大切にする

十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を送ることも大切です。

また、家族や友人との会話、趣味、地域活動など、人と交流する機会を持つことは、心身の健康維持に役立ちます。

難しい計算や特別な脳トレだけにこだわる必要はありません。楽しみながら頭と体を使う習慣を続けましょう。

5.高齢者の糖尿病治療では低血糖にも注意

高齢になると、食事量が不安定になったり、腎臓の機能が低下したりするため、糖尿病の薬による低血糖が起こりやすくなることがあります。

また、認知症が進行すると、薬の管理や食事の準備が難しくなる場合もあります。

そのため、高齢の糖尿病患者さんでは、血糖値だけでなく、認知機能や生活環境も含めて治療方針を考えることが重要です。

ご家族が服薬や食事の状況を確認したり、必要に応じて薬の種類や回数を見直したりすることで、安全な治療につながります。

認知機能の低下が疑われる場合には、早めに医療機関へ相談し、本人が無理なく続けられる治療方法を検討しましょう。

6.認知症が心配なときは早めの相談を

認知症は、早い段階で気づくことで、原因を調べたり、生活上の困りごとに対処したりすることができます。

医療機関では、問診や認知機能検査、血液検査などを行い、必要に応じて頭部MRIなどの画像検査を検討します。

認知症のような症状があっても、治療可能な病気や薬の影響が原因となっていることもあります。また、認知症の種類によって対応や治療方針が異なるため、適切な評価が大切です。

特に、急に意識や認知機能がおかしくなった場合は、低血糖や脳卒中などの可能性もあるため、速やかな医療機関への受診が必要です。

まとめ

糖尿病は、目や腎臓、神経だけでなく、脳の健康にも影響を及ぼす病気です。高血糖による血管へのダメージや動脈硬化などを通じて、アルツハイマー型認知症や血管性認知症のリスクが高まることが知られています。

しかし、糖尿病があるからといって、必ず認知症になるわけではありません。

血糖値を適切に管理し、低血糖を防ぎながら、バランスのよい食事、適度な運動、血圧や脂質の管理、十分な睡眠を心がけることが、将来の脳の健康を守るうえで大切です。

また、ご自身やご家族に物忘れの増加や生活上の変化がみられた場合には、早めに医師に相談しましょう。

当院では、頭痛や脳神経の病気に関する診療に加え、必要に応じて頭部MRIなどによる評価を行っています。糖尿病のある方で、物忘れや認知機能の変化が気になる場合も、どうぞお気軽にご相談ください。

血糖値を管理することは、将来の脳の健康を守るための大切な一歩です。日々の生活習慣を見直し、健康な毎日を目指しましょう。

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