2026年10月08日
頭痛持ちの方のなかでも、群発頭痛の患者数は比較的少ないとされていますが、その痛みの激しさは数ある頭痛のなかでもトップクラスと言われています。よく「男性に多い頭痛」と言われますが、近年では女性の患者さんも増えてきています。
あまりの痛みに、じっと横になっていることができず、部屋の中を歩き回ったり、頭を壁に打ち付けたりしてしまうほど悶絶する方も少なくありません。
2. なぜ「季節の変わり目」に群発発作が起きやすいのか?
群発頭痛の最大の謎の一つが、「なぜ決まった時期に発作が集中するのか」という点です。多くの患者さんにおいて、この群発期が訪れるタイミングには強い季節性が見られます。特に、春先(3月〜5月頃)や秋口(9月〜11月頃)といった、季節の変わり目に発作が誘発されるケースが非常に多いのです。
この背景には、以下のような要因が深く関わっていると考えられています。
① 脳の「体内時計(視床下部)」の乱れ
近年の研究では、群発頭痛の発作には脳の深部にある「視床下部(ししょうかぶ)」という部位が深く関わっていることが分かっています。視床下部は、自律神経のバランスをとるだけでなく、私たちの身体の「体内時計」をコントロールする司令塔です。 季節の変わり目は、日照時間の変化、急激な気温・気圧の変動など、体内時計に大きなプレッシャーがかかる要素が重なります。この気候や環境の変化が視床下部を刺激し、群発発作のスイッチを入れてしまうと考えられています。
② 自律神経の過度な疲弊と血管の拡張
季節の変わり目は、朝晩の寒暖差が激しく、身体が体温を調節するために自律神経をフル稼働させます。自律神経の乱れは、脳の血管や周囲の神経に影響を与え、群発頭痛特有の激しい血管拡張や神経の炎症を引き起こしやすい状態を作り出します。
③ 生活リズムや睡眠パターンの変化
季節の変わり目は、進学や転勤、人事異動、あるいは気候不順による体調不良などから、睡眠の質が低下したり生活リズムが乱れたりしがちです。睡眠サイクルの乱れは、脳の覚醒状態や体内時計に影響を与え、発作の引き金になりやすくなります。
3. 群発期に絶対に避けるべき「発作のトリガー」
群発期(発作が起きやすい時期)に入っているときは、ちょっとした刺激が激しい頭痛を引き起こす引き金(トリガー)になります。この時期は、以下の点に十分注意してください。
4. 市販薬が効かない…群発頭痛の正しい医療アプローチ
「頭痛だから市販の痛み止め(鎮痛薬)を飲もう」としても、残念ながら、一般的な市販の頭痛薬やロキソニンなどの消炎鎮痛薬は、群発頭痛の激しい発作に対してはほとんど効果がありません。
群発頭痛の治療には、専門的な医療アプローチが必要です。当院をはじめとする脳神経外科や頭痛外来では、以下のような治療法を組み合わせて痛みをコントロールします。
① 急性期治療(発作が起きてしまったときの治療)
② 予防療法(群発期のはじまりや期間中の治療)
群発期が予測される時期や、発作が頻発している期間には、発作そのものを抑えるための「予防薬」を継続的に服用します。
5. 「もしかして…」と思ったら、我慢せずご相談ください
「毎年この時期になると、片方の目がえぐられるように痛む」 「市販薬を飲んでも全く効かず、数週間我慢するしかないと思っている」
そんな辛い痛みを、一人で抱え込んでいませんか? 群発頭痛は、正しい診断のもとで適切な治療薬(注射薬や酸素療法など)を用いることで、痛みを劇的にコントロールし、その辛い期間を乗り切ることができます。「季節の変わり目だから仕方がない」と諦める必要はありません。
当院では、脳神経外科の専門的な視点から、患者様一人ひとりの頭痛のタイプを丁寧に診察・診断し、最適な治療法をご提案しております。また、頭痛の裏に別の重大な疾患が隠れていないかの鑑別(MRI検査などによる確認)も重要です。
激しい頭痛にお困りの方、あるいは「これって群発頭痛かもしれない」と感じた方は、どうぞ我慢なさらず、お気軽に当院までご相談ください。皆様の辛い痛みを和らげ、健やかな日常を取り戻すためのサポートをいたします。
