脳神経外科とは

脳神経外科でよくみられる症状

• けいれんして、意識がなくなる
• めまいがする
• しつこい頭痛がある
• 片方の手足や顔がつっぱる
• 最近、もの忘れがひどい
• ろれつが回らない、言葉がしゃべりにくい
• 視野の右側や左側が見にくくなった（暗くなった）
• ものがだぶって二重に見える
• 手足に力が入りにくい
• 手足がふるえる
• 手足や体が勝手に動く
• 手足がしびれる
• 手足の感覚が鈍い
• 歩きづらい
• ふらつく
• 顔のピクつきや足がむずむずする
• 筋肉が痩せてきた
• こむら返りを起こしやすい

脳神経外科で診る病気

頭痛

頭痛は日常的に起こる頭痛（一次性頭痛）と、脳の病気などが原因で起こる頭痛（二次性頭痛）に分けられます。普段感じる頭痛の多くは一次性頭痛であり、片頭痛や緊張型頭痛などがあります。ストレスや生活習慣、姿勢などがきっかけで起こります。二次性頭痛を引き起こす病気には、脳腫瘍、脳血管障害など危険なものもあります。今までに感じたことのない激しい頭痛が突然生じたり、手足の麻痺・しびれ・けいれん、激しい嘔吐などを伴ったりする場合は、すぐに受診してください。

脳卒中

脳卒中とは脳の血管の病気の総称です。脳の血管が詰まったり（脳梗塞）、破れたり（脳出血、くも膜下出血）して、脳の機能が障害される病気が含まれます。日本で最も多いのが脳梗塞で、脳卒中の7割を占め、次いで脳出血が2割、くも膜下出血が1割といわれています。

認知症

認知症とは、記憶や判断力、などの認知機能が徐々に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態をいいます。これは脳の神経細胞が何らかの原因で障害されることによって起こります。
認知症は特に高齢者に多くみられますが、適切な診断と治療、介護支援を受けることで、症状の進行を遅らせたり、生活の質を維持することが可能です。

脳腫瘍

脳腫瘍は一般的に頭蓋骨の中にできる腫瘍のことを意味し、脳神経からできる腫瘍やそれ以外からできる腫瘍など様々な種類があります。大きく原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍に分類されますが、原発性腫瘍は、脳細胞や脳を包む膜、脳神経などから発生した腫瘍で、神経膠腫（グリオーマ）、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、中枢神経系原発悪性リンパ腫などが挙げられます。転移性脳腫瘍は、他の臓器で発生したがんが脳に転移したものです。脳腫瘍が大きくなってくると、腫瘍の脳へ対する圧迫や、腫瘍の周りにおこる脳浮腫という脳のむくみによって脳の機能に影響を及ぼしたり、てんかん発作を来たすことがあります。治療は脳腫瘍の性質や患者様個々の状態に合わせて行われます。

頭部外傷

事故や転倒などにより頭部に強い衝撃が加わり、頭皮、頭蓋骨、脳などに損傷が起きる状態を指します。
具体的には、たんこぶや切り傷、頭蓋骨骨折、さらには脳震盪や脳内出血などの脳の損傷が含まれます。頭部外傷は軽症の場合も多いですが、脳の損傷が深刻なこともあるため、早期に受診することがすすめられます。また、受傷してから1-2週間以上経過してからゆっくり脳の硬膜の下に血がたまる慢性硬膜下血腫は、ゆっくり症状が進行するケースが多く認知症と間違われることもあります。

てんかん

てんかんは脳神経細胞の過剰な電気的興奮にともなって、けいれんや意識障害などの発作を起こす脳の病気です。原因疾患が見つからない特発性（一次性）のてんかんと、脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、脳炎など脳の病気が原因となっている症候性（二次性）のてんかんがあります。てんかんの診断で最も大切なのは発作のタイプを診断することです。症状、発作の起きやすい時間帯・状況、発作頻度など、患者様だけでなく発作を目撃した方からも情報を聴取する必要があります。治療は、抗てんかん薬により発作が起きないように興奮を抑えることが基本となります。てんかん発作のタイプによって、用いる薬が異なりますので、正しく診断することが重要です。

顔面けいれん

顔面けいれんは、片側の目の周りや頬、口などがピクピクけいれんする病気です。通常、目の周りからピクピクとする症状で始まり、徐々に頬や口元へ広がります。進行すると、あごの下の筋肉もけいれんするようになってきます。重症になるとけいれんが持続し、目や口周囲のけいれんが同時に起こり、顔が歪むこともあります。また、けいれんの無い時には顔面麻痺がみられることもあります。治療は、ボトックス注射や、顔面神経を圧迫している部分を開頭術により外科的に処置する方法があります。

パーキンソン病

加齢が重要な危険因子とされており、症状としては、安静時に手や足などが震える振戦、筋肉が固くなる筋強剛、筋固縮、全身の動作が鈍くなる寡動、無動や体のバランスが悪く、倒れやすくなる姿勢反射障害があります。診断基準では、無動または寡動が必須で、静止時振戦か筋固縮のいずれか一方か、両方を伴う場合にパーキンソン病が疑われます。専門医がフォローするほうが、生命予後が良いというデータもありますので、疑われるときは早めに受診することをお勧めします。

痙縮（けいしゅく）

痙縮とは、脳卒中などの脳や脊髄の障害によって、筋肉の緊張が高まり、手足がこわばって硬くなる状態です。主な症状として、手指が握ったまま開きにくい、肘や膝が曲がって伸びにくい、足が突っ張って歩きづらい、体が反り返りやすいなどがあります。
痙縮は、適切な治療やリハビリがなされないと筋肉や関節が固まってしまい、痛みを生じたり日常生活に大きな支障をきたすこともあります。早めのリハビリや適切な治療で、症状の悪化を防ぎ、より快適な生活をサポートすることが可能です。当院では、痙縮に対してボトックス治療を行っております。ボトックス注射は、筋肉が収縮するのをおさえるボツリヌストキシンを注射する治療法です。リハビリと併せて行うことにより治療効果が向上します。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中の大きないびきや、呼吸が止まるといったことを、ご家族に指摘されたり、ご自身で経験されたことはありませんか？それは睡眠時無呼吸症候群 (SAS) のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中にたびたび呼吸が止まることで、睡眠の質が低下し、血中の酸素飽和度が低下します。その結果、脳や心臓に大きな負担がかかります。
単に「日中の眠気や集中力の低下」を招くだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を悪化させ、脳卒中や心臓疾患といった重篤な病気のリスクを大幅に高めてしまうのです。早期に適切な治療を行うことで、これらの深刻な合併症を予防し、健やかな生活を取り戻すことができます。