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もの忘れ

私たちの記憶力は30歳から40歳をピークにしてその後はゆっくり低下していくと考えられており、もの忘れは、加齢に伴ってどなたでも経験します。ただ、このもの忘れには、年齢相応に起こってくる生理的なものから、いわゆる認知症とよばれる病的なものまでさまざまな段階があります。その状態と原因を見定める診断がとても重要になり、病気によるもの忘れであっても、早期に診断して適切な治療を行うことで進行を遅らせることができます。
加齢によるもの忘れと、認知症との違いは、忘れたことを忘れていないかどうかです。たとえば、加齢によるもの忘れは「食事をしたことは覚えているが、何を食べたのかを思い出せない」というものです。対して認知症は「食べたこと自体を思い出せない」といった違いがあります。当院では「病的なもの忘れ」を早期に発見し、適切な治療につなげられるように、専門医による診察、神経学的検査、神経心理検査、画像検査などを用いて、総合的な診断を行っています。
最近、軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)という言葉を耳にされた方は多いと思いますが、これは簡単に言うとまだ認知症とは言えないものの、健常な人と比較すると認知機能が低下してきているが日常生活は自立して送れる状態のことをいいます。つまり、認知症の前段階である可能性が高く、進行を予防する治療をおこなうかどうかの判断が必要になります。
下記のような症状は、認知症の可能性があるため受診されることをおすすめします。ご本人に自覚がないこともあるため、ご家族がお気づきになられたらご本人の心情に配慮しながら受診を促していただけるのがよいでしょう。
代表的な認知症の種類には以下のようなものがあります。
アルツハイマー型認知症は日本人に最も多い認知症の種類です。認知症患者の約70%程度を占める頻度でみとめられます。脳神経細胞が徐々に減っていき、特に記憶を司る海馬を中心に脳の萎縮が進行していきます。最初は主に物忘れ(最近の記憶ができない)が現れ、やがて日付や今いる場所がわからなくなったり、計算障害、言葉の障害・行動の障害や、人やモノがわからなくなるなど、広い範囲で認知機能の低下がすすみ、最終的には日常生活全般に支障をきたす状態になります。
アルツハイマー型認知症は1907年にアルツハイマー博士が報告した病気で、脳にアミロイドβとリン酸化タウという異常タンパク質が蓄積することが原因といわれています。発症は65歳以上の高齢者に多く、女性に多い傾向があります。比較的進行の速いアルツハイマー病と区別されることもありますが、2つを総称してアルツハイマー型認知症と呼ばれます。
進行は比較的緩やかなことが多いですが、進行すると徘徊や失禁など、介護が難しくなる状態が生じることがあります。現在、根本的な治療法は確立されておらず、薬物療法や認知リハビリテーションなどで症状の進行を遅らせることを目標に治療を行います。
アルツハイマー型認知症の始まりでは、下記のような症状に気づかれることが多いようです。
最近では軽度のアルツハイマー型認知症の段階では、抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ:レケンビ®/ドナネマブ:ケサンラ®)という注射薬が保険適応になり、進行を遅らせるのに有効といわれております。
レビー小体型認知症(DLB)は、レビー小体という異常なたんぱく質が脳に沈着することで起こる認知症です。アルツハイマー型認知症との違いは、認知機能の低下のほかに、リアルな幻視やパーキンソン症状、認知機能の変動、自律神経症状などが特徴的です。認知症患者の約4%程度を占める頻度でみとめられます。
前頭側頭型認知症(FTD)は、大脳の前頭葉と側頭葉の萎縮が特徴的に起こる性認知症の一つです。人格や社会性、行動、言語機能に大きく影響し、アルツハイマー型認知症との違いは、記憶障害よりも性格・行動の異常が顕著に現れます。認知症患者の約5%程度を占める頻度でみとめられます。
70歳以降に多く発症し、進行は比較的ゆっくり進みます。初期症状として軽度の物忘れや記憶障害が現れますが、行動・感情面の変化が大きく、怒りっぽくなったり頑固になったり、嫉妬妄想や暴力的な行動を示すことがあります。アルツハイマー病との違いは、記憶障害よりも性格・行動異常が目立つ点です。認知症患者の約5%を占める頻度で、超高齢者ではさらに多く見られます。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で、後遺症として認知症になるものです。脳血管障害によって突然認知症を発症したり、小さな脳梗塞や微小出血がたくさんあることで徐々に認知症が進行する場合もあります。障害を起こした部位によって症状が異なります。理解力や判断力は保たれ人格はしっかりしているように見えても、記憶力が低下しているというような「まだら認知症」もみられます。脳血管障害を引き起こす原因となる、高血圧、脂質異常症、糖尿病、などの生活習慣病が背景にあることが多いです。認知症患者の約20%程度を占める頻度でみとめられます。
問診では、認知症病型分類質問表(DDQ43)や長谷川式HDS-R、時計描画テスト(CDT)などを行います。また、通常の頭部MRI検査と同時にVSRAD(認知症分析)を行います。
こうした検査を定期的に受けていただくことで、認知症の適切な予防と、早期発見・治療が可能になります。また、脳血管性認知症の発症や進行には動脈硬化も大きくかかわっていますので、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の管理も重要になります。
軽度認知障害(MCI)の状態は必ずしも認知症に移行するわけではありません。MCIの方の中で毎年およそ5~15%が認知症に進展し、16~41%は認知機能が正常に戻ることも報告されています。そのため認知症の予防には以下のようなポイントが挙げられています。
定期的な運動習慣は、認知症の予防効果に加えて、生活習慣病の改善にも有効です。当院では運動に加えて、認知課題を取り入れたリハビリプログラムも実施しています。お気軽にご相談ください。
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