2026年8月14日
「片側の目の奥が、えぐられるように痛む」
「夜中に突然、激しい頭痛で目が覚める」
「痛みと一緒に涙や鼻水が出る」
このような症状がある場合、**群発頭痛(ぐんぱつずつう)**の可能性があります。
群発頭痛は、片頭痛とは異なる特徴を持つ頭痛で、発作中は非常に強い痛みを伴います。一方で、適切な診断と治療によって症状をコントロールすることができます。
群発頭痛とは
群発頭痛は、一定の期間に頭痛発作が集中して起こることから「群発頭痛」と呼ばれています。
典型的には、片側の目の奥からこめかみにかけて、非常に強い痛みが起こります。
発作は突然始まり、通常15分~3時間程度続きます。そして、1日に1回だけではなく、場合によっては1日に何度も繰り返すことがあります。
特徴的なのは、頭痛が毎日、あるいはほぼ毎日繰り返される期間が数週間から数か月続くことです。
その後、頭痛がいったん治まる「寛解期」に入り、しばらく発作が起こらなくなることがあります。
「目の奥をえぐられるような痛み」が特徴
群発頭痛の痛みは非常に強く、
目の奥をえぐられるような痛み
目を突き刺されるような痛み
焼けるような激しい痛み
などと表現されることがあります。
片頭痛では、痛みのために静かに横になりたくなる方が多いのに対し、群発頭痛では、あまりの痛みにじっとしていられず、歩き回ったり、頭を抱えたりすることがあります。
頭痛と同じ側に「目や鼻の症状」が出る
群発頭痛では、頭痛と同じ側に次のような症状が現れることがあります。
目の充血
涙が出る
まぶたが腫れる
まぶたが下がる
鼻水が出る
鼻が詰まる
顔に汗をかく
例えば「右目の奥が激しく痛むときには右目が赤くなり、右側の鼻水が出る」といった具合です。
このような片側の激しい頭痛+同じ側の目や鼻の症状は、群発頭痛を疑う重要なポイントです。
夜中に起こることもあります
群発頭痛は、夜間や睡眠中に起こることがあります。
「毎晩、ほぼ同じ時間に目の奥が痛くなって目が覚める」という方もいます。
発作が繰り返されることで、
「また今日も起こるのではないか」
という不安から、睡眠や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
群発頭痛は「片頭痛」とどう違う?
群発頭痛と片頭痛は、どちらも非常に強い頭痛を起こしますが、特徴が異なります。
群発頭痛の特徴
痛む場所:片側の目の奥やこめかみなど
痛みの強さ:非常に激しいことが多い
発作の持続時間:通常15分~3時間程度
発作の頻度:1日に数回起こることもある
目の症状:頭痛と同じ側の目が赤くなったり、涙が出たりする
鼻の症状:頭痛と同じ側の鼻水や鼻づまりが起こることがある
発作中の様子:痛みが強いため、じっとしていられず、歩き回ったりすることがある
起こりやすい時間帯:夜間や睡眠中に起こることもある
片頭痛の特徴
痛む場所:片側または両側のこめかみなど
痛みの強さ:中等度~重度のことが多い
発作の持続時間:通常4~72時間
発作の頻度:月に数回など、患者さんによって異なる
吐き気:伴うことが多い
光や音への過敏:光や音がつらくなり、暗く静かな場所で休みたくなることがある
発作中の様子:動くと痛みが悪化するため、横になって安静にしたくなることが多い
目の充血や鼻水:群発頭痛ほど典型的ではない
もちろん、すべての患者さんが典型的な症状を示すわけではありません。
「片頭痛だと思っていたけれど、実は群発頭痛だった」ということもあります。
群発頭痛の治療
群発頭痛では、発作が起きたときの治療と、発作を起こしにくくする治療を組み合わせることが重要です。
1.発作時の治療
群発頭痛は痛みが非常に強く、発作も比較的短時間でピークに達するため、一般的な鎮痛薬だけでは十分な効果が得られないことがあります。
代表的な治療として、高濃度酸素吸入療法やトリプタン系薬剤などがあります。
特に酸素療法は、群発頭痛の発作時治療として重要な選択肢の一つです。
また、トリプタン系薬剤は、発作が始まったらできるだけ早く使用することが重要です。
2.発作を予防する治療
群発頭痛が毎日のように繰り返されている場合には、発作そのものを減らすための予防治療を行います。
代表的な予防薬としてベラパミルなどがあり、患者さんの状態に応じて治療方法を選択します。
また、群発期の治療では、発作が落ち着くまでの期間を乗り切るために、短期間のステロイド治療などを検討することもあります。
治療内容は、発作の頻度や持続期間、他の病気や服用中の薬などを考慮して決定します。
群発期には「飲酒」が発作の引き金になることがあります
群発頭痛では、群発期に飲酒すると発作が誘発されることがあります。
普段はお酒を飲んでも頭痛が起こらない方でも、群発期には少量の飲酒で発作が誘発されることがあります。
そのため、群発期には飲酒を避けることが重要です。
また、睡眠リズムの乱れなどが症状に影響することもあるため、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
群発頭痛は我慢する必要はありません
群発頭痛は「これまで経験したことがないほどの激しい痛み」と表現されることもあります。
しかし、痛みが強いからといって、必ずしも治療が難しいというわけではありません。
群発頭痛は特徴的な症状があるため、頭痛の専門的な診察を受けることで診断につながることがあります。
特に、
片側の目の奥に非常に強い痛みがある
頭痛と同じ側の目が赤くなる
涙や鼻水が出る
1日に何度も発作が起こる
数週間~数か月の間、頭痛が繰り返されている
夜中に頭痛で目が覚める
といった症状がある場合には、一度ご相談ください。
「いつもの群発頭痛」と思っていても、突然の頭痛には注意
群発頭痛と診断されている方でも、突然発症した今までにない激しい頭痛や、意識障害、手足の麻痺、ろれつが回らない、けいれんなどを伴う場合には、群発頭痛だけとは限りません。
くも膜下出血など、緊急の治療が必要な病気が隠れている可能性があります。
このような場合には、速やかに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
群発頭痛は、
「片側の目の奥をえぐられるような激しい痛み」
を特徴とし、涙や目の充血、鼻水などを伴いながら、一定期間に繰り返し発作が起こる頭痛です。
痛みが非常に強いため、仕事や睡眠、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
一方で、発作時の治療や予防治療によって、症状を軽減できる可能性があります。
「目の奥の激しい痛みが繰り返される」「夜中に同じような頭痛で目が覚める」といった症状がある方は、単なる頭痛として我慢せず、脳神経外科・頭痛外来などでご相談ください。
当院では、群発頭痛を含め、片頭痛、緊張型頭痛、薬剤使用過多による頭痛など、さまざまな頭痛の診断・治療を行っています。
